Jul 02, 2009

看護師求人正しい人々の希望

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 若い人を中心に“新聞離れ”が進んでいる。新聞通信調査会の調べによると「毎日、新聞を読んでいる」という人は、全体で61.8%。年代別にると、40代以上は半数を超えたが、30代で36.9%、20代で22.1%にとどまった。

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 こうした事態に歯止めがかからなければ、新聞が衰退するのは明らか。そして新聞社を去っていく記者が増えていけば、いわゆる“ジャーナリズム精神”も消滅してしまうのだろうか。

●ジャーナリズムは衰えていない

烏賀陽:『週刊新潮』でジャーナリストの黒藪哲哉さんが「押し紙」問題を報じていた。読売新聞と週刊新潮が激しい攻防を繰り広げていましたが、多くの読者はこれを見ていて「新聞社は部数を水増ししているな」と感じ取っているのではないでしょうか。

窪田:全体的にいえることですが、新聞の購読部数が減少している。そうすると会社としては記者をリストラせざるを得なくなり、やがて「元朝日」や「元読売」のフリーライターがどんどん増えていくのかもしれない。米国のように。

 米国では読者から寄付を募り、それを基に記者が取材し記事を配信する「デモクラシー・ナウ(Democracy Now!)」といったWebサイトがあります。やがて日本もそうなるかもしれない。それとも読売新聞であれば“読売王国”の中で、自分の居場所を作っていくのかもしれない。

烏賀陽:米国を取材して「新聞というメディアは死につつあるが、ジャーナリズムは衰えていない」と感じましたね。ニューヨーク・タイムズのワシントン支局長だったBill Kovach(ビル・コバチ)記者が書いた『The Elements of Journalism』という本があまりにいい本なので、会いに行った。

 彼はこのように言っていました。「新聞かインターネットかというのは問題ではない。ジャーナリズムを体現していれば、それはジャーナリズムなのだ」「ジャーナリズムにのっとって取材をし記事を書くなら、その人はジャーナリストなのだ」「社員であろうが、フリーであろうが関係ない」と。その通りでしょ?

窪田:分かりやすいですね。

●「社員純血主義」が間違っている

烏賀陽:米国では、弁護士が3年間だけ記者をしたりすることもある。そして米国の記者クラブはそういう人を拒んだりしない。ジャーナリズムの原則を守っていれば、弁護士であろうが関係ないんですよ。

 雇用形態や就労形態が変わったとしても「自由な市民に権力から自由であるための情報を提供する」のであれば、全く問題ない。「権力から市民が自由であるための情報が提供される」のであれば、誰が書こうが問題ないんですよ。

窪田:支局に行かなくても、ジャーナリストになれるわけですね。

烏賀陽:ハハハ。冒頭の「社員純血主義」がいかに間違っているか分かるでしょう? 

窪田:ただ日本の新聞社で働きながら「フリーでやっていこう」という記者はどのくらいいるんでしょうね。

烏賀陽:あまりいないと思う。今のようにたくさんの給料をもらっていれば、なかなか辞めることなんてできませんから。ちなみにWebサイト「年収ラボ」によると、朝日新聞の平均年収は1241万円(42歳)、日経新聞が1204万円(40.9歳)――。

烏賀陽:日本のメディア業界では「労働力の流動化」が起きていない。流動化が起きていないのに、メディアのシフトだけが起きている。例えるとタイタニック号は沈んでいっているのに、そこにオリンピックに出場できる選手がゴロゴロいるようなもの。優秀な記者が沈んでいくのは、日本にとっても大きな損失なのに……。

 インターネットメディアは勃興(ぼっこう)しているが、まだまだマネタイズの仕組みが完成していない。日本の大手メディアを辞めて、彼らにどのように対価を支払えばいいのか。その原資をどのように確保すればいいのか。そんな環境で住宅ローンや子どもの学費を抱える彼らに「会社を辞めろ」なんて、僕は言えない。

●若い記者の今後が心配

窪田:全国紙で記者をしている40代の人たちと話す機会があって、「これからどうする?」といった話題になった。その場にいた全員が「オレは辞めないなあ。確かに先はないかもしれないが、オレがいる間は会社もつぶれないと思うから」と言っていました。

 みなさんジャーナリストとして忸怩(じくじ)たる思いがあるはずですが、やはり生活者としての立場もある。ただ日本のジャーナリズムを考えると、こうした人たちがくすぶっているのは大きな損失ですよね。

烏賀陽:僕も福岡県で働く30歳前後の若い記者と話す機会があった。「将来、どんなジャンルを取材したいのですか?」と聞いてみた。すると「古典芸能が好きなので、落語や文楽を取材したいですね」と言ったあと「まあ会社があればの話ですが」とつぶやいていた。みんな将来の夢を語ったあと「そのとき、会社があればの話ですが……」と暗い顔で下の句を付けるですよ(笑)。

 30歳前後というのは、キャリアビルディングにとても大切な時期。「記者としてどういったキャリアを積んでいくのか」と夢がある時期なのに、彼らは暗い話になる。彼らの今後の記者人生が心配ですね。


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